「嫌!」

吹雪から渡された書類を投げつけ、私は怒鳴った。


「決定権はお前にはない。」


腕を組み私を見る奏。

奏は起床した私にカルテを渡してきた。


心臓移植待ちの患者さんの…

分かってる。
奏も吹雪も医者。

禁断のクローン技術に手を出したのも全て医学の進歩のため。


だけど…

納得した瞬間。

そこで私の存在意義がなくなる。


移植に賛同する気はない。


患者さんには悪いけど。

あなたたちが死にたくないと足掻く(あが)様に、私も生きようと必死なの。



生まれてきた意味…

ううん。

創り出された意味がそれでも。

例え使命だとしても。

私は命を落とす気はない。


「会え!」

傲慢な態度で奏は私を睨む。

私が救わなければ死ぬと言う。


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!



生きたい。

人である以上望むのは仕方ないことでしょう?