ケータイ小説 野いちご

地味子の秘密*番外編*

◆あの頃の約束〜渉〜
├前編

――渉Side――

自宅の2階───。

奥の部屋に、俺の書斎がある。


中は、様々な本だらけで杏樹の幼い頃の遊び場だった。

今はもうそんなこともないが。


娘の杏樹は、現在中学3年生。


日々、家業である陰陽道の修業に励んでいる。


来年は、幼なじみの松沢柚莉ちゃんと一緒に、松沢学園に進学したいらしい。



「杏樹も高校生か……」


書斎にあるイスに深く腰掛け、背に寄り掛かった。


娘の中学生活は、あと1年もない。

元気に過ごしてくれたなら、俺としては大満足だ。



ふと……机の引き出しを開けてみる。


中には、一枚の写真。


幼い子供2人が、笑い合っている。

柚莉ちゃんと杏樹だ。



そして、引き出しの奥からまたひとつの写真立てを取り出した。

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