ケータイ小説 野いちご

地味子の秘密*番外編*

◆ライブ


――土方side――


彼女たちのイメージカラーであるチェリーピンク。
赤とピンクの中間色。
色気のある大人と清純な少女の真ん中という意味を込めてつけられたカラーだ。


9月下旬になり、少しは涼しくなった今日。
俺の目の前には、その色を身に付けた人が大勢いる。
服でもアクセサリーでも。
ここは、BKN48のライブ会場の外。
特設されたテントに向かって長蛇の列ができている。


「グッズ買うのにこんなに待つのか」


不満そうな発言が後ろから聞こえた。
俺は、振り向いて答える。


「フツーは3時間待ちだよ。今日は早い方だ」


そう返された男は、『ウソだろ……』と信じられないとでも言いたそうな顔をした。
まあ……高瀬は初ライブだしな。
俺、土方啓太はT大法学部に通う3年生。
今日はチケット入手困難といわれるBKN48のアリーナライブに友人2人と来ていた。
ダメもとで応募したら、たまたま当選したのだ。
友人はふたりとも剣道サークルの仲間で、近藤と高瀬だ。


近藤は爽やか好青年って感じで、女子からも人気がある。

だが、この男。
高瀬を相手にしたら……女子は全員とられてしまうだろう。
180cmを超える長身に小顔で整い過ぎた顔立ち。
頭脳明晰でスポーツ万能。
ただ女嫌いでつるむのは男たちだけ。
一緒の空間にいるだけでも嫌がる。
しかし、女子たちには硬派なところもいい!と人気を上げる要素だったり。
そんな完璧美男子がそばにいれば……注目を浴びるのは必須。

ヒソヒソ、チラチラとグッズ売り場に並ぶ女子たちから見られているが、高瀬本人はそういうものにも一切興味ないらしい。



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