――陸Side――

杏が東雲へ帰った翌日。

つまり…週明けの月曜日。


「……俺も転校すっかな…」

「東雲へ?」

「あぁ…」


3年A組の教室。

その隅の窓際に腰掛け、隣に同じく腰掛けている悠へ呟く。


「なんで」

「……あのバカ杏…東雲の生徒会長に、惚れられた」

「東雲の生徒会長…?」

「あぁ。知ってんのか」


手を顎にあて、少し考えるような仕草をする。


「高瀬か……!」

「高瀬?」

「高瀬が神崎さんにねぇ……」

「知り合いか?」

「うん……あの大の女嫌いが…まぁ、神崎さんなら惚れても仕方がないよな」

「…………」



悠の親と、その生徒会長の親が、昔から仕事仲間だったらしい。


ん……?てことは……。


「その高瀬って奴は……そっちの家系か?」

「俺と同じだよ」