私は菅谷 麻里也(すがや まりや)16歳。

今年の夏、西南高校に転校してきたばかり。


家庭の事情で、おばさんの家で下宿して学校へ通ってる。

おばさん夫婦は子どもに恵まれなかったから、私の事をすごく可愛がってくれて、良くしてもらってるの。



やっと午前の授業が終わり、つかの間の休息ランチタイム。

弁当箱を開くと同時に、廊下からドドドドという地鳴りのような音が聞こえてきた。


「「「待ってぇ! 」」」


「「「直斗ぉ(なおとぉ) 」」」


奇声とも言える甲高い声が響き渡り、教室にまで届いてくる。

私は気にも止めず箸を持つと、厚焼き卵を一口食べる。

この時間になると、いつも女子どもが騒がしくなって戦争が始まるの。

クラスには私1人が残るだけで、後はみんな男子。