ペロペロ…

(何だ…くすぐったいな…)

瞼はまだ開けなくて。

「ほぉ。俺様をシカトするとは良い度胸だな…ガリガリの坊主のくせに生意気だな?」

突然響いた、自身に覚えの無い声に、驚き目を見開く。

「よ、起きたな。おはようさん。で、俺、腹減ったんだ。何か作れ」

見えたのは、薄紫の瞳と黒にとても近い濃い青紫色の髪。
自身と同じか少し上位の、真っ裸で威張っている、男の子。

取りあえず、下はシーツで隠されてはいたけど、上半身は惜しげなく肉体美を見せつけてくれる。

(ところで、坊主…って自身の事だよね…違うんだけどな、ぶつぶつ)

…とか、逃避している場合ではなく。

「えーと、どちら様?」


「何だ、声変わりもまだなのか?お前。それはともかく、腹減ったんだよ、俺は。」

どうやら、ご飯を食べるまでは、話を聞いてくれそうに無い。

仕方なしに、立ち上がり台所へと向かった。