ケータイ小説 野いちご

戦国サイダー

二帖 漆黒

ここが田舎で良かったのか、良くなかったのか。



我が家に帰り着くまで、誰とも出会わなかった。


もちろん、車のひとつも通らない。


第一我が家が山奥にあり過ぎだ。


周りは森だし、道は一本道、しかも舗装もしてないし。



「ただいまー……」



なんてつい言っちゃうけど、只今我が家には誰もいない。


今月いっぱい両親は海外旅行という豪勢なものに出かけている。



「どうぞ、庶民の家ですけど」



玄関の前で振り返って、たっぷり皮肉を込めて言ってやる。



……って、あれ。



刀持った御仁が、固まってる。


 

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