こんな時は冷たい飲み物より暖かい方がいいだろう。

彼女が猫舌であることを考慮して、少し冷ました紅茶を持っていくと、委員長は既に泣き止んでいた。

強い人だ。


「はい、紅茶」


「ん、ありがと……熱ッ」


どうやらまだ冷ましが足らなかったらしい。

相当な猫舌だ。


「ゴメンね、取り乱しちゃって……」


カップをテーブルにコトリと置いた後、彼女は呟くように言った。


「いや、別に……」



なんと言葉をかければいいのだろうか。

こんな時に、普段ちゃんとコミュニケーションを取っていなかった報いが来る。

僕らは、ただ沈黙するしかなかった。