向日葵との喧嘩が原因で、私はしばらくバーチャル彼氏をプレイすることはなくなった。


自分がゲームにハマリ過ぎている事を自覚し、しばらくお休みする事にしたのだ。


このままハマリ続けると、清美お姉ちゃんに向日葵を消されるかもしれない。


それだけは、避けたかった。


そして、土曜日――。


なにもせずに、ただゴロゴロとベッドの中で過ごす休みの日。


普段だったらすぐにまどろんでくるのに、今日はなんだか二度寝が出来ないでいた。


どうしても、目は机の方へ向いてしまう。


カギ付きの引き出しには、向日葵がしまってある。


もう何日顔を見てないんだろう。


本当はほんの数日だけ。


でも、それが何ヶ月も何年も経っているように感じてしまう。


「うぅ~っ!!」


私は向日葵の顔を脳裏から消すため、枕に強く顔をうずめた。


少し汗を吸った匂いがして、仕方なく日の当たるベランダまで持って出る。


「布団も干そうかな」