それからの一週間は、なんだかあっという間だった。


毎日毎日、瀬戸君が帰りに声をかけてきてくれて、桃子は笑顔で私たちを見送ってくれた。


まるで、何年も前からこの関係が続いているような錯覚に陥る。


「今日も、一緒に帰ろうか」


「うん」


教室の前で瀬戸君の迎えを待っていた私に、駆け寄ってくる。


その時の笑顔が、私は大好き。


最初は向日葵に似ている笑顔。


だったけど、今はちゃんと瀬戸君の笑顔、として見れている気がする。


そして、2人仲良く並んで帰ることが多くなったからか、エマやエマの取り巻きからの陰口をきかなくなっていた。


「今日はどこかよって帰る?」


「私ドーナツ食べたい」


こうやって、2人で寄り道をすることもしょっちゅう。


そして……。


「泉、口にチョコついてる」


「ん?」