ワンテンポ遅れて、無意識にタメ語が飛び出ていたことに気づいた。

しまったとくちびるを噛むけど、当然なかったことにはならず。



「う、あ……ゴメンナサイ。無意識にタメ口になってました、気を抜いててうっかり……」

「どっちでもいいけど。おれ敬語嫌いだし~」

「え……でも、みんな敬語だったから……」



これは、遠回しに敬語を使うなと言われてる?
でも、これをあっさり信じてタメ語で話して地雷踏んじゃったら最悪だしなあ……。


そんな藤葛をしていたら、タイミングのいいことに保健の先生らしき人が現れた。



「黒土くん、なーんか久しぶりだね。今日は何の用ですか」


白衣を着たその人は、40代くらいの綺麗な女性。黒土くんと親しいと見た。



「この転校生に水ぶっかけられたから、部屋貸して」


ちょっとハナシが違う気がするよ。ぶっかけられたって
なんかそれ、私が故意にそうしたみたいじゃん!