こんなの、恋人なんて言わないよ……。

「おい……なんとか言えよ!」

「うっ……」

グッと強められる手。

言わなきゃ……。

この言葉を言わないと、終わらない──────────

「別れ、たい……っ」

ずっとずっと心にあった決意。

依織くんと私をを縛り続けていたもの……。

言いたくて、言えなくて……。

ずるずる引きずってきた名ばかりの恋人関係。

逃げれば終わると思ってた。

だけどそれは大きな間違いで……。

『俺……桜川のことが好きだ』

『私も藍澤くんのこと、好き……です!』