いつもこうやって、私の意思なんて手のひらで簡単に握り潰していくんだ……。

もう二度と抗わないように。

……でも──────────

私は痛みに耐えながら、涙で滲む視界でグッと依織くんを睨み返す。

いままで、この鋭い眼光に(ひる)んで、目を合わせることなんてできなかった。

でも、そんな弱虫を私は卒業する。

依織くんから、この問題から……もう目を逸らさない──────────

「いつからそんな口が叩けるようになったんだよ」

「……」

蔑むように私を見下す鋭い視線。

これでもあなたは私のことが好きだっていうの?

彼氏って言えるの?

彼氏って言うのはこんなんじゃないよ……。