葱をみじん切りにし終えまな板から顔を上げる。



 視界に入るのはソファに座り、熱心に雑誌を読み込み何かを勉強している日野くんだ。



 夏休みが始まり、一週間が過ぎた。私は毎日欠かさず日野くんの家に行き、昼食や夕食を作り続けていた。



 夏休み初日の朝、彼に家に誘われた後に『明日は休みだけど午後には帰れるから、ケーキ買っておくね』とメッセージが来て、特に途切れる雰囲気もなく今に至る。