「璃空、遅かったな。また寝坊?」

「まぁ……ねみぃ」


 遅刻して、ねみぃはないでしょう……? もしかして、この学校は遅刻する人も許してんの?

 緩すぎでしょ!?


「柚ちゃん、こいつが遅刻常連犯の植木(うえき)璃空(りく)だよ」


 その彼は、大きな欠伸をして学ランのボタンを一つずつ締め出した。