ケータイ小説 野いちご

ドライブスルー彼氏

憧れの人

夜になるのを待ち、あたしは再び家を抜け出していた。


もう二度とドライブスルー彼氏は利用しないと琴葉と誓い合った直後にこんなことになるなんて思ってもいなかった。


でも、どうしても気になる。


どうしてあの人がドライブスルー彼氏を使っているのか、それだけは確かめたかった。


はやる気持ちを抑えられずに自転車を立ちこぎして、もうすでになれた小屋へと急ぐ。


小屋が近づいてくると星空を見上げる余裕もなく、自転車を投げ出して駆け出していた。


あの写真がいつ撮影されたものかわからないが、少なくてもあたしが利用したときに彼はいなかった。


だから、その後に撮影されたものだと思う。


もしかしたら、彼はすでにいなくなっているかもしれない。


誰か他の女性に選ばれているかもしれない。


そう考えると古傷が痛むように胸の奥のほうがチクリとした。


もう随分昔の恋心が、彼の写真を見たことでよみがえってくるのを感じる。

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