「とうとう動いたね、龍牙組が」



それは例えば面白いテレビが放送されていることを知らせるように。

明日は雨みたいだよ?なんて、ありふれた知らせを報告するかのように。


陽太はこの屋敷の全員を集めて放った。



「見てこれ。どこか分かる?」



薄型のノートパソコンをクルッと回転させれば、男たちからざわめきが上がる。



「俺たちと通じる資産会社との倉庫じゃねェか…!」


「おい天道!テメェまた要らんことをしたのか!?」


「俺まだ何も言ってないじゃん。うわー、話す気なくなったなぁ」



龍牙組の動きは日が経つに連れてエスカレート。

果たし状が送られたり、爆破予告をされたり。


そんなもの嘘だと思ったが「本当だよ」なんて陽太の言葉に緊張感、そしてそれをハッキングして止めたのも陽太だった。


そして今度彼は私たちに別のものを見せた。



「話せ。ここに龍牙組が関わってるってのか」



そこには那岐とお父さんの姿も揃っていた。

そう、これは上層部の会議場。


私を狙っている可能性もあると見て、情報を知っておくために私もその会議に参加していたわけなのだが。



「たぶん、今日のうちにここにある金ぜんぶ無くなるね」


「「「なにぃ!?」」」