神風くんが転校してきてから、もう1週間が経った。


毎日のように誰かから呼び出しをされて、告白を受けているシーンを見かける。


今彼女がいないと知ったみんなが、我先にと狙って告白をしているらしいんだけど……

その結果は全て全滅。


本当は彼女がいるんじゃないかと疑う人も出てきたくらい。


神風くんのことだから適当に可愛い女の子と付き合うんじゃないかと思っていたけれど、それは違ったらしい。



本当に本命の彼女がいるとか?



まぁ、所詮他人のプライベートの話だし、わたしには関係ないんだけど。


今日も変わらずわたしはひとりぼっち。


そんなことはとっくの昔に慣れている。


でもやっぱり、クラスで人気者の神風くんを見ていると羨ましくて嫉妬してしまう自分がいる。


あれは作り笑顔の神風くんらしいけど、そうしてる方が楽しいって言っていた。


確かに楽しそう。


わたしもあの輪の中に入って話してみたい。


そんな気持ちは溢れるほどあるのに、体が言うことを聞かない。


声をかけようとすると急に怖くなって、パニックになりそうになる。



「いいなぁ……」



そんな本心はクラスメイトの笑い声の中に消えていった。