「……何アイスにする?」

「え!寒いから嫌なんじゃないの!?」

「寒いのはやだけど、食べるのがやだとは言ってないよ」

「なにそれー。わがまますぎない?」

「楓莉に言われたくない」



冬のアイスがわたしは好きだ。冷たいし、寒いけど、その分李々斗の体温がより近く、あたたかく感じるから。


文句を言いながらも、なんだかんだ一緒にアイスを食べてくれちゃうところも、李々斗らしくて大好き、だったりもするわけで。

握られた手のひらは、李々斗の温度が伝染してほんのり温かくなっていた。


当たり前に手をつなげるようになるなんて、あの頃のわたしには​────わたしたちには、きっと想像もできなかったこと。


どうしようもなく愛おしくなって握る手の力を強めると、李々斗はやさしく笑っていた。