「ドンマイだよ、芽依ちゃん」



遊園地での出来事を咲良ちゃんに話すと、背中を優しく擦りながら慰めてくれた。



「少しでも前に進もうって思っただけでもすごいよ」


「うぅ、咲良ちゃーんっ」


「ほらほら、元気出して?」



咲良ちゃんがそんな優しい言葉を掛けてくれるから涙が出そうになる。


6月になり梅雨の時期になって雨の降る日が増えたからか、余計に気分も下がってしまう。



「咲良ちゃーん!」


「須藤くんどうしたの?」



さっきまでコウくんと話していた須藤くんが咲良ちゃんの名前を大きく呼んでこちらへやって来る。


最近、咲良ちゃんと須藤くんはたまに連絡を取るくらい仲良くなったらしく、こうして学校で話すことも多くなっていた。



「今日俺たちと一緒にお昼どうかなって思ってさ!もちろん、航大と芽依ちゃんも一緒にね!」



そう須藤くんからウインクが飛んでくる。


相変わらずチャラいな、須藤くん。


こんな明るくて活動的な須藤くんとコウくんが仲良しだってことが今も不思議に思っているよ。



「うん、いいねっ!」


「芽依ちゃんはどうかな?」


「いいよー」



コウくんとのことで勝手にモヤモヤしちゃってるのはわたしだし。


ここでわたしだけ断るのは逆に不信感を持たれちゃうよね。


それに、みんなでご飯を食べれば気分も上がるかも。