ケータイ小説 野いちご

地獄船

天国と地獄

この雰囲気に似つかわしくなく、賑やかな音楽が流れている。


俺たち9人は赤と青に別れた状態でその場に立ち尽くしていた。


子鬼たちが赤い玉と青い球の入った段ボール箱を運んできて、それぞれの陣地にそれらを撒いて行った。


「よーし、準備はできたなー」


見ると、鬼の手にはいつの間にかピストルが握られている。


まさか、本物じゃないよな?


背中に冷や汗が流れ、知らない間に拳を握りしめていた。


「じゃぁ、両者とも輪になって座れ!」


そう言われ、俺たちは互いに目を見交わせながら鬼の言うように輪を作った。


輪の中央には籠。


小学校の頃にやった運動会をそのまま船の上で再現したようだった。


「準備はいいか? よーい、どん!」


どん! と、ピストルが撃たれるのは同時だった。


パンッと、空砲の音が聞こえてくると、反射的に体が動いていた。


近くにあった玉を握りしめて籠に向かって投げ込む。


俺の隣に座っていた綾もすぐに玉入れを始めた。

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