ケータイ小説 野いちご

地獄船

揺れ

大きな揺れを感じて俺は目を覚ました。


一瞬ここがどこなのかわからなくて、横になった状態のまま周囲を見回した。


部屋の中は暗いが、目が慣れて来るとその様子が見えて来る。


見たことのないソファにみたことのない丈夫そうな机。


天井には小さなシャンデリアがぶら下がっているが、それはユラユラと揺れていた。



「あ、船の中か」


ようやく目が覚めた俺がそう呟いて上半身を起こした。


俺は鳴神高校2年生の成瀬早人(ナルセ ハヤト)。


昨日から豪華客船での修学旅行が始まった所だった。


俺の通っている鳴神高校は日本国内でナンバーワンとも言われる大富豪のご子息たちが集まる高校だった。


通常の高校の10倍はある校舎に、教室には1人1人にソファがあてがわられている。


生徒たちの家は世界を相手にする大企業や実業家ばかりだった。


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