「いらっしゃい佳都ちゃん!まってたわよー!」

「…こんにちは…、よろしくお願いします」

「緊張しないで。ささ、上がって」

「…お邪魔します…」




───ついに来てしまった、この日が。



大きな一軒家。綺麗で大きな家は、大金持ちとまではいかなくとも十分に裕福そうだった。

手には大きなスーツケースとボストンバックを持つ私が通された広い玄関。

フローラルの良い香りが鼻腔をくすぐった。




「チカちゃん、本当にありがとうね」

「いいのよ全然!佳都ちゃん、小さい時に見て以来だったけど、可愛くすぎてびっくりしちゃった」

「あら、そういうチカちゃんも、八樹くんこんなにかっこよくなっちゃって!」

「お互い様ねぇ」

「うふふ、ほんとね」