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「鈴さん、着物も似合いますね」


目の前に現れたのは、凄く穏やかで優しそうな夫婦だった。
この人が…この2人が如月冬馬の御両親?

あたしは色々な人を見てきた

だから人を見る目は肥えてる自信がある。



この人達からは何も悪意が感じられない。ただただ少しの緊張と息子の婚約者に会った喜び。それらしか感じられない


着物も。そう言ったから何度か会ってるのは間違いない。

少しでも嫌味な人達なら、仕掛けようと思った。けどこの人達には


何もできひん


「冬馬が来れなくて申し訳ないね」

「いえいえ。お二人に会えただけでも嬉しいですわ」

「鈴さん、少し大人っぽくなりましたかな」


笑顔の父親。とても、優しそう
羨ましいと思うくらいに、顔や声、表情から優しさが伝わった


こんな人たちの息子が…サトルと繋がるって、何事?なにがあったらそんなことに…


「本当に鈴さんには感謝してます」

「え?どうしてですか?」

「息子は結婚にずっと反対で後を継ぐのも嫌がってたんですけどね。あなたをパーティーで見て、気が変わったようなので」