学校からの最寄り駅に着いた。


私の家は隣町にある。

ここから電車に乗って、1時間ほど揺られて家に帰らなくてはならない。


少し寂しくなった。

この駅につくまでの間。

涼とバカ騒ぎして。

なぜか神崎くんは黙ったまま私の手を握っていたけど。


楽しかったのにな。

これで、明日まで会えなくなるのか……。


そんな感情が浮かぶ。


駅で立ち止まった私に2人は振り返る。



「どーした? 帰るぞ」

「私、ここから電車で帰るから。また明日ね!」



2人は顔を見合わせた。


涼が口を開く。



「お前、門限は?」

「えっ……。特にないけど」

「じゃあ、寄っていけ」



涼の言葉に驚いて言葉も出ない。


寄っていけ、って。

どこに?

普通に考えたら『ウチに寄っていけ』って聞こえるけど。


神崎くんも頷いて、握ったままの私の手を引っ張る。