私は響介の待つ家には戻らず、誰もいない、海辺の倉庫にやってきた。


「美花が喰喰を呼ぶ前に、私が儀式をして、喰喰を殺すことができれば…」


美花を、止められるかもしれない。


自分勝手だろうけど、それが今できる最善の選択肢のように思えた。


この倉庫には、喰喰を殺すための武器がそろえられている。


刃物や火薬、拘束具……そして違法に手に入れた銃火器まで、ここにはある。


「あとは儀式が成功すれば、喰喰をここに誘き出せる」


私は改めて儀式が書かれたメモを見た。