パソコンに向かい、真剣な表情で企画書を仕上げていく。
優莉は、新しくオープンするレストランの販促案としてミーティングに出すための資料を作成していた。

優莉の企画案は、オープンする際に来店したお客様にノベルティとして店のロゴを入れたコースターを配布するというものである。
すでにネットで業者にもあたりをつけており、オープンまでに用意も可能だと確認をとっている。

コースターの裏にはグルメサイトのQRコードもプリントし、そこに口コミを投稿してもらう作戦だ。投稿者には次回来店の際に使えるクーポン券を配布。次の来店にもつなげられる。

隼と想いが通じ合って一週間。優莉は、彼の隣に立っても恥ずかしくない女性になろうと仕事に邁進中である。

アパートの手配をお願いしていた管理会社には辞退を申し入れ、口座に振り込まれていた現金だけをありがたくいただいた。いらないと言い張っていた隼には、そのお金で借金を返済。残りは妹の学費に充てようと考えている。

ランチタイムを挟んで事業部に戻ると、各自のノートパソコンの上に社内報が配られていた。

――もしかして、あのデート企画が載ってるもの?