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今日1日本当に夢のように楽しかった。

毎朝1年眺めていただけの彼と話をして…私の頬に…彼の手が…触れた…。

間近かで微笑んだ彼の笑顔を思い出すと、触れられた頬がかぁっと一気に熱をもつ。

打ち上げにはさすがに私が参加するわけにはいかず、さっき合流した美月とこっそり入れ替わった。

T高のブレザーにリボンの制服を脱いだ時、まるでシンデレラの魔法がとけたような気分だった。

ううん、まさしく魔法はとけたのだ。

あの制服に身を包んだ人たちがいる場所は私が本来はいる場所ではないのだから…。

私がいつも下車することのない駅から私は電車に乗って家に向かう。

楽しかった時間は終わったのだ。