7時発、通勤快速東京行き。

3両目の最後尾に他校生の彼は…いつも乗っている。

背が高くて、人より頭ひとつ出ている彼を見つけるのは、どんなに混んだ車内でもそれはとても容易いことだ。

毎朝彼を見続けて、季節はいつのまにかまた二度目の春を向かえ、私も彼も高校二年にあがっていた。

「おはよう」

「おはようございます」

私が乗った二駅先から、有名な私立の進学校指定の黒いランドセルを背負った小さなカレは乗ってくる。

カレに出会ってからも一年がたち、毎朝出会う小さな男の子も小学校二年生だ。

「ここのスペースにおいで?
ここなら潰されないから」

「はい、ありがとうございます」