翌朝。
学校へ向かっていると、雅彦の母からメッセージが届いていた。環奈はドキリとする。雅彦に何かあったのでは。

【雅彦の指先が少し動いたの。先生が良い兆候って言ってくださったのよ。短いけど動画送るね】

動いた、という言葉に胸が弾む。メッセージの下の動画を再生した。

雅彦が病院のベッドで目を閉じている。雅彦の母が呼びかけると、反応するようにかすかに指先が動いていた。

それを見て、環奈の心の中に光が射した。

きっと使い人になって七つの大罪を集めているからだ。

ーー今日もがんばろう。雅彦のために。