学校にやって来ると、皆家を見に行って絶望したのか、肩を落として生徒玄関の前に腰を下ろしていた。


「この様子だと、皆も家族が化け物になっていたのにショックを受けたみたいだな」


懐中電灯で高下達を照らし、フウッと雄大がため息をついた。


「ゆ、雄大くん!? そ、そう。雄大くんは化け物になってなかったんだ……良かった」


雄大の姿を見た高下が、嬉しそうに声を上げた。


「そ、それで。その様子だと、あなた達の家もダメだったようだけど。私達は、これからどうすればいいって言うの?」


茂手木も、精一杯強がろうとしたのだろうけど、その言葉は弱々しい。


「家には帰れないでしょ。あの化け物をどうにか出来ればいいけど……このままじゃ、安心して眠ることも出来ないよ。町中、化け物で溢れ返ってるんだからさ」


「おいおい山瀬! テンション下がるようなことを言うなよ! なんだよ、俺達に野宿でもしろってのか!?」


「バカ! 野宿なんてしてみろ。あの化け物に食われて目を覚まさなくなるぞ!」


桐山の言葉に、真倫ちゃんが反論する。


皆、それは理解しているだろう。


もう、どうすればいいかわからないという雰囲気が、辺りに漂っていた。


「だったら……ここで寝るしかないだろ。誰もいない学校。つまり、化け物もいないってわけだ」


そんな中で、雄大が学校を指さして見せた。