冬休み明けの初日。

俺の悩みが悪化してる。


---それは、



「工藤くーーーーーん!!!!」


「……」


登校してすぐ正門前にいる女が全速力で走ってくる。


そこは本人いわく彼女の特等席らしい。

人目も気にせず殺気を放つ圧巻の走り。

いつからお前は世界陸上を意識し始めたの?



「お、おはよう工藤くん……!!」


俺の彼女は声がでかい。



特進科の奴らに、


「……工藤の彼女って、柔道部とかではない?」


と、何度聞かれたかもうわからない。

ついでに距離も近い。

息を切らした顔が目の前にある。