宝来家と検索して出て来るのは、世話になっていた企業がほとんどだった。


そのページを開いてみると、協力者や支援者の欄に宝来家の名前が書かれている。


でも、ほとんどがそれだけだった。


どれだけ調べてみても、宝来家の内部事情は出てこない。


有名な資産家の黒い部分はすべて踏みつぶされている可能性もあった。


悲しいけれど、今でも隠ぺい工作を行う企業や個人はたくさんある。


「なにも出てこないな……」


それから1時間ほど調べて、諦めたように広貴が呟いた。


ここへ来てそろそろ2時間が経過する。


パソコンを借りられる時間にも限界が来そうだった。


「もう1つ確認したら、出るか」


広貴がそう言って次のページを開く。


いい加減、あたしたちも目が痛くなって来ていた。


これからまた強烈な眠気に襲われて亜香里ちゃんの悲鳴を聞くかもしれないと思うと、とても耐えられそうにない。


しっかり休まないといけなかった。