年末年始は、図書館は休館となり、私は連休となる。

しかし、大和さんはそうじゃない。

冬休み中、特にお年玉をもらった後は、本、特に漫画を買いに来る子供たちが増えるため、書き入れ時になるらしい。

私は、両親は遠方にいるが、元々こっちの出身なので、帰省といっても私が行くのはなんだか違う気がして、どうしようか迷っていた。

大和さんは、両親のところへ行って羽を伸ばしてくるといいって言ってくれたけど、うーん、どうしよう。

そんなことを考えていると、母からメールが来た。

〔 31日〜3日までそちらに行きます。
布団はレンタルで手配しておきます。
私たちの布団を敷ける場所を確保して
おいてね。〕

えっ? どうしよう。

私は慌てて大和さんに相談する。

「大和さん、どうしよう。
両親が来てる間だけ、私、アパートに戻って
いいですか?」

「なんで? お母さんたちにここに泊まって
もらえばいいんじゃない?
昼間は俺、仕事だから、家族水入らずで
自由にここ、使ってくれていいし。」

え、でも…

「それだと、私たちが一緒に住んでるって
言うことになるし… 」

「いい機会じゃないかな。
俺もきちんとご両親にご挨拶したいし。
由里子も心配させたくないから、事件の事や
裁判の事を内緒にしてたんでしょ?
一緒に住んでるからもう安心だって
伝えられれば、ご両親に事件の報告も
できるし、一石二鳥じゃないかな?」

大和さんは優しく微笑んで言う。

「だけど、もし、両親が反対したら… 」

そう、私の母は、割と捌けた人だからあまり心配はいらないけど、父は…

「ご両親は、反対するかな?」

大和さんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「多分。
父は、単身赴任で離れてる事が多い分、
たまに会うと、恥ずかしいくらい私に構う
人なので… 」

「そうかぁ。
でも、結婚するとなったら、一度は対峙
しなきゃいけないんだから、認めてもらえる
ように頑張るよ。」

大和さんは私の手をぎゅっと握ってくれる。

「ありがとうございます。
両親には、引っ越したって連絡をして
おきますね。」