「ん…っ…ちょっ…」


会うときは必ずこうなる。


半ば無理やり押し倒してくる。


別にあたしは嫌じゃない。


身体を重ねれば情報が貰えるし、仕事が貰える。


仕事が貰えればお金が貰える。


20歳近く離れてるこの男と何度身体を重ねてきたことだろう。


「相変わらず細っせぇな」


「…うるさい」


あたしの〝師匠〟である貫田絢斗(ぬきたけんと)。


30代とは思えない若々しさで、抱かれていても嫌な気はしない。


貫田さんは外見は穏やかそうに見えるが、やってることはかなりエグかったりする。


貫田さんはいい人を装うプロだとあたしは思ってる。


いろんな人間と関わってきたけど、大抵の奴は眼を見ればどんな奴か分かる。


だけど貫田さんだけは別だ。