俺が景に妬きまくっていることを承知した景は、それとなく分かれてくれた。

まあ俺も、ここまで自分の脳内に変化があれば自覚せざるを得ない。

俺、那也が可愛いんだって。

「で?」

「んでさー、那也の幼馴染っつーのにどう対応すればいいのかわかんない」

「………」

クッションを抱きかかえる俺に対して、机に向かっているため背を向けている父さんは黙った。

何か思うとこでもあんのかな。

父さんは帰って来て一通り母さんといちゃつくと、夕飯まで仕事をするために書斎にあがった。

父さんの書斎は俺と羽咲と景となゆのお悩み相談室でもあるから、二人掛けのソファが置いてある。

そこに並んでいるクッションの一つに顎をうずめて、今日は俺が居座っている。