次の日。


日曜日だからなのか、親達は買い物のついでにデートに行くと言って朝早くから居ない。


トユンさんは、部屋でまだ寝ているのかただ出てこないだけなのか分からないけれど、とにかく私はまだ彼の姿を見ていない。


そして、私は。


(寝ちゃ駄目寝ちゃ駄目寝ちゃ駄目)


ソファーに座ったら寝てしまいそうで、必死にソファーの周りを歩き回りながら自分に言い聞かせていた。


昨日のあの出来事は、本当はあってはいけない事だった。


ただ、3時間寝れた割に夢を見なかった事だけが救いで。


一応、


「俺も寝れたし最高!一緒に寝てくれてありがとうね!」


と、トユンさんからは感謝の気持ちを伝えられたけれど、実際に伝えないといけないのは私だ。


だからこそ、夢を見たくなくて昨日の夜も寝られなかった。



「はぁー、」


どんなに頑張っても瞼が下がってくる。


頑張れ、と私は自分を奮い立たせながら、ついこの間薬局で購入した目が覚めるという目薬を2滴ずつ目に垂らした。


清涼感の度合いを示す星5つのうち4つに色が塗られているから、かなりスースーする。


一瞬で目が覚め、その余りの清涼感の強さに目を押さえて悶えていると。




ピンポーン……ピンポーン……



急に、玄関のチャイムの音が鳴り響いた。