ケータイ小説 野いちご

不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています

◆焦燥ラブストーム


あれから一週間、耀への恋心を自覚したとはいえ、そこから先に進むような行動はなにも起こしていない。

とりあえずまた一緒に食事にでも行けばいいのだろうけれど、急に私から誘ったら変に思われるんじゃないかと、余計な考えが邪魔をしてなかなか踏み出せないでいる。

社長にアタックしていたときは結構積極的だったはずなのに、なぜ今受け身になってしまうのだろうか。

お風呂から上がり、洗面所のスタンドに並んだ色違いの歯ブラシを眺めながら、小さなため息をついた。最近ずっとこんな調子だ。

濡れた髪をタオルで拭きながらリビングに戻ると、テーブルに置いていたスマホがメッセージを受信した音を奏でる。それを見た途端、あまり浮かなかった私の顔が一気に明るくなる。


【今週の金曜日、仕事が終わったらご飯食べに行かない?】


タイミングを見計らったかのような、耀からのお誘いだった。

同じことを考えていたというだけで、なんだか無性に嬉しくて。あぁ、私は本当に恋に落ちたんだな、と実感する。

ひとりなのをいいことに、思いっきり口元を緩ませ、OKのスタンプをポンと送信した。


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