萌夢叶『ノエル、今日カラオケすっごく楽しかったよ?ノエルいなくてホント残念だったなー』

家に帰ると、萌夢叶からメッセージが届いていることに気づいた。5分前に来ていたらしい。それなら今返信しても迷惑じゃないだろう。
乃絵琉はいつものように萌夢叶に返信した。

乃絵琉『そーなんだ。私も行きたかったな』

萌夢叶『てゆかさ、今日なんで来れなかったの?ノエルいたらもっと楽しかったよー(´;ω;`)』

付き合いの悪い自分のことも気遣ってメッセージをくれる優しい萌夢叶。それに比べて私はなんて最低な人間なんだろう。復讐狐に依頼して鋭十を殺す事でしか萌夢叶を守ってあげられない。
あんな最低男でも、萌夢叶にとっては大好きな彼氏なのに。私はその彼氏と浮気をして、挙げ句の果てに鋭十につけられた数多の傷を代償に、鋭十への復讐を依頼した。
鋭十が死んだら萌夢叶は暫く立ち直ることは出来ないだろう。そうなれば、私が責任を持って萌夢叶を支えるんだ。それが私が萌夢叶にできる唯一の罪滅ぼしなのだから。

乃絵琉『ごめんごめん笑笑 家の用事(−_−;)』

私はいつも通り、萌夢叶の為に笑っていよう。何事もなかったかのように。