あっという間に川瀬くんとの1ヶ月記念日になった。


夢の国に行こうと思ったが、天気予報が雨だったため、大型ショッピングモールでデートすることに。



「なんかゴメンね。本当は日にちずらせればいいんだけど、しばらく部活で土日遊べないから」


「いいよいいよ。ここも超広くてすごいじゃん!」


「俺、中学の頃からよく来てるんだよね」


「そうなんだ。いい店ある?」



ここは3つの広い建物でできたショッピングモール。映画館や大型電気店もあり、1日いても飽きないところ。


若者から家族連れまでたくさんの人でにぎわっている。



本当は優にぃと何度か来たことはあった。でも、初めてというふりをしておいた。



「綾ちゃん、1ヶ月記念に何かおそろいの買おうよ」


「え。恥ずかしいよ!」



指輪がいいかな~、とつぶやきながら川瀬くんはお店に入っていく。


なんとなく彼の後ろは追わず、わたしはシュシュを物色することにした。



私服の川瀬くんは、お金がかかっていそうな格好はしているものの、全体のバランスがイマイチで、制服の方がかっこいいなと思った。


逆に、彼は待ち合わせの時、「今日、綾ちゃんかわいい。や、いつもかわいいけど、いつも以上に」と言って、顔を赤くした。


テンションの違いに、朝から気まずさを感じてしまった。