詩side

お披露目暴走から3日が経って

毎日みんなや律と楽しい学校生活を

エンジョイしてます!

そして今…

1ヶ月後の6月半ばに行われる文化祭の

出し物についてクラスでは

話し合いが行われてるのっ!

文化祭委員の安田くんは不良校には

珍しいタイプの真面目な男の子

だけど、周りのみんなとも

すっごく仲が良くて、人を見た目で

判断したりしない優しい人なの!

そういう所すっごく良いと思うんだ〜

「これから文化祭の出し物について
話し合います。
やりたい出し物がある人は挙手して!」

「メイド喫茶がイイ〜!」

「いや、コスプレ喫茶がイイんじゃね?」

「他校の女の子来るんだから、執事とか
ホスト喫茶とかにしようーぜー!」

私と律はワイワイ騒ぐ男の子達に

やれやれと呆れた視線を送ったのは

無理もない

ギャーギャーワイワイと騒ぎながらも

安田くんの見事な仕切りにより

私たちのクラスは『コスプレ喫茶』に

決定しました!

コスプレの衣装はどんな物でも

用意出来ると担任の先生が言ったもんだから、みんなはカッコ良く見せたいらしく

ホストや執事とかの服を着るみたい!

よっぽど彼女が欲しいらしい(笑)

私はウサギの着ぐるみがあれば

そうしようかなぁ〜って思ってたんだけど

クラスの男の子達に何故か私には

是非着てほしい衣装があるって

目をウルウルさせてお願いされちゃって

断れずにオッケーしちゃったんだけど…

当日まで秘密らしくて衣装の内容は

聞かせて貰えなかった

まぁ、いっか〜!

みんなで仲良く楽しめれば!!

私はこういうイベントはすっごく

楽しみたいタイプだから

ワクワクしてるの!

みんなで仲良く一緒に何かをするって

今まではなかったから…

あ、ダメダメッ!!

ネガティヴ発動するとこだった!!

過去は過去、今は今だよね〜

私の席の周りは見事に星竜のみんなに

囲まれてる

傍に居てくれてる感じですごく安心する

律も居るし、文化祭が楽しみ〜!

ーーーー
ーーー
ーー

やって来ました!文化祭!!

今日まで、みんなで協力して

教室の中は本当の喫茶店みたいに

仕上がりました〜!

もう既に達成感に浸っちゃってます!

さぁ〜、頑張るぞっ!!

1人拳を握って気合を入れてると

頭の上に温かくて大きな手…

振り返るとやっぱり北斗だった

最近北斗にこうされる事が多くて

感触や温度とかで分かるようになったの

私ってば、すごい!!

「詩、文化祭楽しみか」

優しく笑う北斗に笑顔で頷いた

≪すっごく楽しみ!
こういう、みんなで協力して
ワイワイするの初めてだから!
北斗は?≫

「…そうか。
詩が楽しいなら俺も楽しい」

笑い合ってお互い別々に更衣室へと

移動したのはいいんだけど…

……………え?

これに着替えてと渡された紙袋の中には

ウサギの着ぐるみを期待した私の

ガラスのハートは木っ端微塵に砕け散って

開いた口が塞がらない…

これは…メイド服、だよね?

それは分かるの…

黒地に白のエプロン、白のニーハイに

黒のパンプスを見ればね、うん

だけど、これは何?

出てきたのは猫耳のカチューシャ…

なぜ猫耳??

そんな疑問を抱えながらも

時間がないから着替えてみたけど

あら、びっくり…

残念な程似合ってません!

詩、ガックシ…

そこに現れたのは巫女さん姿の律

「詩、準備できたの?
…って、その格好」

床にしゃがんで落ち込む私を

目を見開いて凝視する、律は

いきなり抱きついてきて

とんでも発言連発です!

「詩!!すっごく可愛いわ!
色も形も詩にピッタリ!
流川達びっくりするわよ!」

律の初めての取り乱し方に

私は超びっくりだよ!

それよか、律の巫女さん姿の方が

律の凛とした性格にピッタリで

心の中で拍手した

メモ帳を取り出して本音をポロリ

≪可愛くなんてないよ。
しかも、メイド服だけでもハードル高いのに
意味不明な猫耳カチューシャなんて
似合わな過ぎて見せれないよ〜!
みんなの目が腐っちゃうよ、きっと。

あ、でも律はすっごく似合ってるよ!
綺麗!≫

肩を落とす私は溜め息製造機のごとく

溜め息を連発中…

こんなみっともない姿なんて

みんなに見せられない〜!!

あんなに楽しみだった文化祭なのに

今は帰りたくて仕方ないのっ!!

「詩、私が嘘吐くと思うの?
私は本当のことしか言わない。
私がズバズバ言う性格だってこと忘れた?
似合わないなら似合わないって
言うわよ。
だから、私の言葉信じて?」

床に視線を落としていた私は

そっと顔を上げて優しく笑う律と

目が合った

可愛いってのは抜きにしても

律が嘘吐くなんて私は思ってないから

似合ってるって言葉信じるよ

笑顔で頷いた

「よし、そうとなったら早く行こうか!
開店まで時間ないし」

律に手を引いて貰いながら

私はいざ、教室へ出陣です!