キラキラと輝くクリスマスツリー。


モミの木に飾られているプレゼントの箱や星や綿の雪。


聞こえてくるのは子供たちの笑い声とクリスマスソング。


1年の中でも笑顔の溢れる日。


広い体育館の中は鉄の匂いが充満していた。


一歩足を踏み入れると鼻の奥まで侵入してくる生臭さ。


息を止めていてもそれは体内へと侵入してくる。


体育館中央に置かれた大きなクリスマスツリーは、体育館の天井まで届きそうだ。
そこに飾られている数々のオブジェたち。


切断された指はモミの木の枝に突き刺さり、引きずり出された腸は雪と同じようにモミの木を一周する。


頂点にそびえたつ星の場所には1人の少女の体が突きささっていた。


ここに生命はない。


息絶えた飾りたちが、腐敗するのを待つばかりだった。