「ガアアアアア!」


叫び声と共に美世が両手を広げて襲い掛かって来た。


「いやぁ!」


悲鳴を上げ、キツク目を閉じてナイフを振り回す。


ナイフの先が何かにぶつかり、何かを切り裂く感覚が伝わっていた。


そっと目を開けてみると、あたしの振り回したナイフが美世の腕に突き刺さっていた。


筋肉質な腕からダラダラと血が流れ出す。


しかし美世は動じなかった。


牙をむき出しにして襲い掛かって来る。


「やめて美世! 目を覚まして!」


刺さったナイフを引き抜き、再び美世へ突き立てた。


筋肉が千切れる感触がする。