ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

彼氏売買所

当日

ダブルデート当日。


空は朝からよく晴れていたけれど、あたしの心はジメジメしていた。


これからダブルデートだと思うと気持ちが沈んでしまう。


それでも、行かないワケにはいかなかった。


昨日真由にスマホを取り上げられ、隼人にデートの誘いを入れてしまっているのだ。


隼人は大喜びで、顔を真っ赤にして文庫本に突っ伏していたくらいだ。


これであたしが約束場所へ行かなかったら自殺してしまうかもしれない。


今の隼人を見ているとそれは決して大げさではないと思えてきてしまうのだ。


あたしは本日何度目かになるため息を吐き出して、着替えをはじめた。


約束時間まであと1時間ほどだから、さすがにそろそろ準備を始めないとまずい。


隼人からのラインは今から2時間も前に送られてきていて、今日がどれほど待ち遠しかったかとつづられていた。


あたしはそれに相槌を打つメッセージを送り、そのまま鞄にスマホを投げ込んでいた。

< 29/ 281 >