「ウサギさんって、何歳なの?」


「何歳だと思う?当ててごらんよ。」


一緒に暮らし始めて2日。

相変わらず笛の情報は得られず、私はオズとの条件をクリアするため、ウサギさんの情報を探ろうとしていた。


(…全てがうまくかわされている…。一向にレアな情報を掴めている気がしない。)


にこにこと笑う彼は、優雅にカモミールティーを嗜みながら私を見つめている。

彼の行動や言動から、少なくとも私よりは年上だということは分かった。

大人の余裕を見せるウサギさんは、それなりに色々な経験をしてきたらしい。

個人情報は謎のままだ。

その時。

ウサギさんが、ふと外を見て呟いた。


「あ、そうだ。洗濯物を干さなきゃね。」


ふわふわとした性格ながら、家事を完璧にこなす彼はどうも掴めない。

スタスタと部屋を出て行く彼。

パタン、と閉まる扉を、私は目を細めて見つめた。


(…昔からこの家に住んでいたのかな…?)