ケータイ小説 野いちご

愛して、未来

思いのほか、大事にされてました


「 小波 唯(さざなみ ゆい)さん、どうぞ 」



ここは、木藤総合病院、外科診察室前。

呼ばれた私は怪我をしてここにいる。


手首にヒビが入ったようです。

元凶は… アイツだ。




私には彼氏がいます。


名前は、神楽 力丸(かぐら りきまる)

年上彼氏なんです。

社会人で、美容師、立派な……人?


とは言えない奴。


付き合いだしたキッカケは、私が高校二年の夏の花火大会後、力丸が酔って私の帰り道に吐いていた時だった。

酔っ払いという避けたい他人につい声をかけたのが、ある意味運命で、恋運の急降下。



「 飲みかけですけど、麦茶です、良かったらどうぞ。口をすすいで… 」

「 あ~ わり。サンキュ… 」



吐いて呼吸が辛そうで渡した麦茶を、力丸は受取り嗽したあとで、飲み干した。



「 救われた、って感じ? 君名前は?」

「 …大丈夫そうなんで失礼します 」



ササッ… と退散あるのみ。

が、力丸が浴衣姿の私の袖を掴んだため、止まるしかなく、名前はとしつこい。

しまいにはお礼したいとまで。



教えて離してくれるならと……



「 名前も個人情報保護に値すると思うので名前で探したりはしないでくださいね 」



睨み言うと、ニカッと笑って見せた力丸。

仕方なく、教えて……

三日後、なぜか偶然再会したのです。





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