乃愛はずるい。


乃愛は死んでもまだ幸弘の心を離さない。


もうなにもできないくせに、朽ち果てて消えていくだけのくせに。


あたしは乃愛の死体を睨み付けた。


「行くよ香菜美」


真琴に声をかけられてハッと我に返った。


創吾と幸弘は枝を集めるために森の中へと入ってた。


あたしたちは火がつきやすそうな小枝を探しに行くんだった。


「わかった」


あたしは見張り役の和希と乃愛を残して、歩き出したのだった。