複製機を使うタイミングがもう少し遅ければ2人は付き合っていたかもしれない。


そう思うと一瞬ヒヤリとした。


けれど結果的には大成功だった。


あたしは外のトイレに駆け込んでひとしきり笑った。


こんなにうまく行くなんて思っていなかった。


2人の関係がこんなに簡単に崩れるとも思っていなかった。


ずっとずっと手に入れたかった陸人が、また一歩あたしに近づいてきたのだ。


陸人とお金さえあれば、あたしは完璧だった。


もう少し。


もう少しであたしは完璧な人間になるんだ。