あたしも彩もその場から動かなかった。


足元にはサツキの血がどんどん広がっていく。


彩は肩で呼吸を繰り返していたが、サツキはすでに呼吸を止めていた。


「いやぁ、意外な結果だったなぁ」


先生の声と拍手の音で我に返った。


振り向くと、廊下には残っている生徒たち全員が出てきていた。


「サツキ!」


裕司が叫んでサツキに駆け寄った。


サツキの横に膝をつく。


「なんなのこの結果。こんなのアリなの!?」


梨央が目を血走らせてそう言った。


「確かに、投票とは逆だけど、罰を受ける人間はもう死んだんだ。なにも問題はないなぁ」


先生はそう言いカラカラと笑い声を上げた。


殺される側が殺しても問題はない。