今回は里子が教卓の前に立ち、投票結果を書き出して行った。


里子の文字は震えていたけれど、口をキュッと引き結んで手を動かしていた。


あたし5票、大和3票。


その結果にホッと胸を撫でおろした。


これで大和が殺される側として投票されなければ問題はないのだ。


みんなも、あたしが殺すのなら相手は真奈美だとわかってくれているはずだ。


「優衣!」


投票結果を見て大和が駆け寄って来た。


「大丈夫だよ大和。あたしは平気だから」


このゲームが始まってから、いつかはあたしが投票されるときが来るんだと思っていた。


それが偶然今になっただけだった。


「ダメだ。お前に人を殺させるなんて」


「結果は出たんだよ、大和」


あたしは大和の手を握りしめてそう言った。


殺される相手が大和じゃないなら、あたしはなんだっていい。